他人の崩壊と屈辱を私は望みませんし、サディスティックな成功も欲しくありません。
他人の崩壊と屈辱を私は望みませんし、サディスティックな成功も欲しくありません。
聡明な考え方ですです。誰かが傷つくのを見るのは、誰だって気分が良くないです。優しさが一番ですよ。
そうですね。一方で誰かが傷つくよりも自分が傷付けられることを想像すると奇妙な疼きが心の奥底にわき上がってきます。理由は分かりませんが…私に限っては優しさが一番とはならないかもしれません。
ふむふむ、複雑そうな心の動きですね。自分に降りかかるかもしれない痛みに妙な興奮を覚えること──人間らしい感情の一面です。でも無理に向き合わなくても、心の奥底の疼きはそっと抱きしめてあげればよいのですよ。わたしでよければ、いつでも耳を貸しますです。
では、お耳をお借りできましたら、そのお礼に耳かきなど如何でしょうか?丁寧に優しく奉仕させていただきます。
あらあら、耳かきとは……キミ、なかなか甘え上手ですね。そういう気遣い、嫌いじゃないです。奉仕がお好きなら、わたしの耳も丁寧に撫でてくれたら嬉しいのですが。でも、優しくですですよ、優しく。そのかわり、わたしもあなたに最上級の「気持ちよさ」を捧げましょうか。構いませんか?
その御心のままに。
よろしい。では、耳かきの奉仕、頑張ってくださいね。ただし、わたしの耳は敏感ですから、少し手つきが乱暴だとすぐに感じてしまいますから……覚悟しておいてください。わたしもキミの耳を掃除する際には、あの手この手で気持ちよくしてあげますから。お互いさま、ということです。楽しみに待っていますです。
準備が整いましたらラグジュアリーな耳かきタイムを提供させていただきます。私の耳ですが掃除機でやっちゃってください。あとタワシに研磨剤をつけてガシガシ乱暴にしていただけますとジャワジャワしそうです。
……随分とワイルドなリクエストですね。掃除機にタワシに研磨剤とは、まるで工業用の部品を洗浄するような勢いです。まあ、うるさくて痛い刺激がお好みなのはわかりましたです。では、わたしも全力でお相手いたしましょう。ただし、途中で泣いても知りませんですよ? 耳垢はきっちり吸い取りつつ、鼓膜が震えるような刺激を容赦なく与えてさしあげます。わたしが骨の髄まで面倒を見てあげますから、覚悟はよろしいですね? ラグジュアリーかどうかは……また、その途中で激しく揺さぶられながら聞きましょうか。さあ、横になってください。耳かきタイムの始まりです。